現代歌人協会は、1956年に結成された歌人の職能団体です。2020年に法人化し、「一般社団法人 現代歌人協会」となりました。

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素肌なるわが広胸(ひろむね)を
たか波のうねりに乗せてゆくこころかな

古泉千樫 『川のほとり』

 大正3年(1914年)に「アララギ」に発表された歌。当時、海で泳ぐ歌はあまり作られておらず、水泳短歌としては最初期の作といえるのではないか。「素肌なるわが広胸」という表現から、裸になった自分の壮健な身体への自信のようなものが感じられる。このとき千樫は28歳位であった。下の句のリズムもゆったりとしていて、海の高波に乗って泳いでゆく快さがよく表れている。自分の胸の下で、波がうねる動きをいきいきと感じているのである。海と一体になって泳ぐ、若い喜びに満ちている。千樫の故郷は千葉県鴨川市。そこの海で泳いだときの歌かもしれない。

吉川宏志

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